「毎年8月は、円高になりやすい」
いわゆる、8月円高アノマリー(経験則)というやつですね。
では、なぜ8月は円高方向に振れやすいのか?
諸説あって、正直、自分にはよく分かりません。
よく分からないからこそ、アノマリーと呼ばれているのだと思います。
とは言え、有名なアノマリーなので、本当に8月は円高傾向なのか、過去チャートを調べてみました。
ドル/円 8月月足四本値
2000年以降のドル/円月足チャートから、毎年8月の四本値だけまとめました。
(ヤフーファイナンスのサイトよりデータ参照)
2000~2020年の21年間で・・・
陽線(円安)=7回(33.3%)
陰線(円高)=14回(66.7%)
一見すると、信頼度の高いアノマリーに思えますが、2000年代初頭に8月円高が集中しており、結果的に、このアノマリーの発生率を底上げしている感もあります。
実際、直近10年間では、円高、円安ともに5回ずつで、アノマリーが効いてるとは、必ずしも言えません。
念のため、他の通貨ペアでも調べてみました。
ポンド/円 ユーロ/円 8月月足四本値
2000~2020年の21年間で・・・
ポンド/円
陽線(円安)=6回(28.6%)
陰線(円高)=15回(71.4%)
ユーロ/円
陽線(円安)=6回(28.6%)
陰線(円高)=15回(71.4%)
両通貨ペアともに円高7割超えの結果は、驚きです。
期間に偏りもなく、ドル/円よりも8月円高アノマリーが信頼できます。
ついでに、ドルストレートも調べてみました。
ポンド/ドル ユーロ/ドル 8月月足四本値
2000~2020年の21年間で・・・
ポンド/ドル
陽線(ドル安)=8回(38.1%)
陰線(ドル高)=13回(61.9%)
ユーロ/ドル
陽線(ドル安)=10回(47.6%)
陰線(ドル高)=11回(52.4%)
ポンド/ドルに関しては、ドル高ポンド安になりやすい傾向にあるものの、ユーロ/ドルに通貨強弱の優位性は見られません。
前項のポンド/円の結果も合わせると、「8月はポンドが弱くなりやすい」アノマリーも見えてきます。
まとめ
「毎年8月は、円高になりやすい」
このアノマリーを検証すべく、円、ドル、ポンド、ユーロ主要4通貨の8月月足データをまとめてみると、ドル/円だけでなく、クロス円でも、約7割の確率で、アノマリーが機能することが分かりました。
とは言え、毎年8月頭にFXで、チャート分析もせず、ドル/円、または、クロス円のショートポジションを持ち、1か月放置して、月末に決済する手法は危険すぎます。もしやるとしても、超低レバ取引でしょう。
ポンド好きの自分としては、「8月はポンドが弱くなりやすい」アノマリーにも留意しようと考えています。