2026年ゴールデンウィーク中に、日本政府・日銀は、前回(2024年7月)から1年9ヶ月ぶりとなる、円買いドル売りの為替介入を実施しました。
先日、財務省より、具体的な実施日、及び、金額が公表されましたので、前回同様、ドル円チャートを使って、その開始時刻や値動きなどを徹底検証してみました。
(参考) 2022~2024年の為替介入分析は ⇒ こちら
なお、7月31日には日米両政府による協調介入が行われましたが、こちらの明細については10月頃に公表される予定ですので、そのタイミングでチャート分析したいと思います。
本記事の介入開始時刻は、ドル円チャートの急変タイミングに基づく私個人の推測であり、政府の公式発表ではありません。あくまで、趣味の分析レポートとしてお楽しみください。
2026年4月30日 6.3兆円 円買いドル売り介入

2026年5月04日 8千億円
2026年5月06日 4.7兆円 円買いドル売り介入

チャートから見えてくる3つのポイント
「口先介入→実弾介入」の典型パターン
節目の1ドル=160.5円を上抜けたタイミングでの牽制発言、そこから数時間以内の実弾投入という流れは、当局が事前に防衛ラインを設定し、それを試す動きが出た際に段階的に対応していることが読み取れる。
介入後の投機的な動き
介入による急落後、数時間〜1日程度で価格は170~220pips戻され、あるいは、介入レベルの「謎下げ(▼170pips)」も発生するなど、投機的な動きが活発になる。
※ 5月1日の「謎下げ」については、財務省発表の資料に介入実績としての記載がない。
薄商いを突いたタイミング選び
・4月30日介入…東京株式市場とニューヨーク株式市場の取引時間外
・5月4日、6日介入…日本は祝日で、ニューヨークは深夜
いずれも市場参加者が少なく流動性が薄い時間帯を選ぶことで、介入の効果を最大化しようとする意図が透けて見える。
過去の介入実績との比較、まとめ
2022年以降、日本政府・日銀による為替介入は、今回を含めて合計10回実施された。
| 介入日付 | 開始時刻 | 下落幅 | 背景 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2022/9/22(木) | 17時~ (2回目?)20時半~ | 510pips 230pips | 1ドル=145円台突入 | 次の日「秋分の日」祝日 |
| 2022/10/21(金) | 23時半~ | 540pips | 1ドル=150円台突入 | ー |
| 2022/10/24(月) | 8時半~ | 410pips | 同上 | ー |
| 2024/4/29(月祝) | 13時~ (2回目?)16時~ | 430pips 250pips | 1ドル=160円台突入 | 前日、日銀金利発表 「昭和の日」祝日 |
| 2024/5/1(水) | 29時~ | 450pips | 同上 | FOMC金利発表直後 |
| 2024/7/11(木) | 21時半~ | 350pips | 1ドル=162円目前 | 米指標発表直後 |
| 2024/7/12(金) | 22時~ (2回目?)23時~ | 140pips 80pips | 同上 | 米指標発表直後 |
| 2026/4/30(木) | 19時半~ | 360pips | 1ドル=160.5円上抜 | 「退避勧告」直後 |
| 2026/5/4(月祝) | 12:45~ | 150pips | 同上 | 「みどりの日」祝日 |
| 2026/5/6(水祝) | 13時半~ | 270pips | 同上 | 振替休日 |
まとめ
- 1ドル=160円の壁
2024年以降の介入は、全て、1ドル=160円の上抜けが、1つのきっかけとなっている。政府・日銀が明確に、この価格帯を意識していることが伺える。
ただ、これだけ介入を繰り返しても、日米金利差という構造的な円安圧力が残る限り、流れを変えてこれなかったことは歴史が証明しており、「介入=FXロングの好機」と揶揄されることもしばしば…。 - 介入実施タイミング
過去10回の介入は、全て、祝日、または、平日の場合、東京株式市場取引時間を明確に避けている。 - 今回の介入が異質な点
今回の介入で特に異質だったのが、財務官による「退避勧告」である。
今になって考えてみると、ロングポジションを持つFXトレーダーに対し、「もうすぐ介入するよ」と言ってるようなものであった。
ちなみに管理人は、退避勧告をスルーしてしまい、ロングポジションで大爆死しました…。
ご存じの通り、このゴールデンウィーク介入だけで円安トレンドが収束したわけではなく、5月中旬には、介入前最高値の1ドル=160.7円台に価格は全戻りし、7月末には1ドル=164円に迫る水準まで円安が進行して、再び介入(日米協調介入)が実施されたと報じられている。
